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美容整形 手術|大学病院

今から何年か前、巷の美容整形の手術を行うクリニックでトラブルを起こした患者が大学病院に駆け込む、という記事を読売新聞が掲載されたことがあります。あたかも大学病院の美容整形は、美容整形手術クリニックのトラブルを処理してくれるところのようにさえ思えますが、実はこれもとんでもない間違いなのです。大学病院が美容整形手術を標榜する大義名分として、クリニックでのトラブルを救うために大学でも美容整形手術を訓練すべきと判断したから、としているようです。

実はその背景には経営判断があり、患者取り込みの一策といえることを同年の産経新聞が伝えています。そもそも大学病院の美容整形手術医は形成外科医であり、本来的な美容整形手術医ではありません。美容整形手術は、町の外科医が長いこと研鑽、開発、努力して花を咲かせ、実らせた唯一の診療科目であると標榜科目に認定された祝辞として、当時の日本医学会会長が述べているように、美容整形手術は機能回復の延長線上にあるものではなく、もともと必要あって美を求めた医療なのです。

しかし、このまちがった調査のおかげで、結果はかえってクリニックに加担するものとなりました。美容整形手術を正式な診療科として掲げている昭和大学、北里大学、東京大学の3大学に調査の結果、トラブルの原因は医師の説明不足にあると思われるケースがほとんどなのです。明らかな技術の未熟さが原因になったトラブルはわずかに2例だったといいます。つまり、ほとんどの美容整形の手術におけるトラブルはインフォームドコンセントによって回避できるものなのです。

最近、周知徹底されつつあるインフォームドコンセントがトラブルを極端に少なくしているのかもしれません。美容整形手術では治療の絶対必要性、緊急性がない分、通常の医療以上に詳細な説明義務と患者の自己決定権を保障することが要求されるといえます。そのために医師は術前に、患者の主観的願望や美的要求を可能な限り正確に把握し、手術の方法や術後瘢痕の位置などは具体的に図示して患者に説明し、治療方針について合意を得る必要があるというわけです。